一度目にしたらその美しさに誰もが心を奪われる夕陽と、豊かな自然に囲まれた場所、天草。

そんな自然豊かな山の中に建つ「天草高等学院」

創立より卒業生はほぼ東京大学へ進み、卒業後はありとあらゆる業種の一流プロフェッショナルとして、日本の中枢でその能力を発揮する。

入学時より、高度なカリキュラムによる教育を行い、天草の風土を大切にする人材を育てる。天草に生まれたものだけが入学資格があり、入学したものは生まれ育った天草に誇りを持った。

ここには創業者「濱田厚志」から在校生・卒業生へとしっかり根付く「不遜な望み」があった。

ある日、12歳という若さにしてイェール大を卒業し、天才科学者となり天草にその足を下した男がいた。

名前は、天草四郎。かつての英雄と同じ名前を持つ者。

彼は誰もが挑戦し、研究し続けたある公式を見付けることに成功する。

野放しにすれば人類が滅びるほどの威力を持つ「鍵」

それは、天草をより豊かにするための大切な技術として使用され、クリーンエネルギーをつくる装置の一部として使用された。

しかし、悪魔を生み出すこともできるその「鍵」を手に入れようとする日本中央政府。

天草高等学院 第一期卒業生でもあり天草市市長である山口義正、そして同じく第一期卒業であり、天草未来財団理事長の板倉隆。そして天才科学者、天草四郎。

三人を中心に、創業者の遺志を継ぎ「不遜な望み」に向け動き出したある計画…【天草パライソ計画】

人々の自由と、豊かさのために生み出された「鍵」をめぐり、それぞれの想いがぶつかる。

本当の幸せとは、自由とは。そしてかつての英雄も描いた【パライソ】とは。

そしてその計画の結末はいかに。